大震災に耐えられる住まい

昭和56年以前の建物には要注意!

「耐震性の基準」から見た既存住宅の割合では、耐震性のある昭和57年以降に建てられた65.7%の建物に比べて、昭和56年以前の建物は耐震性ありが13.1%で、耐震性なしが21.2%であることが分かっています。これは、昭和56年以前に建てられた建物の73.7%が崩壊の危険性が高いということを示しています。

危険な建物の例

1つでも当てはまる場合、耐震診断が必要です。

  • 昭和56年以前に建てられた建物

    1995年の阪神淡路大震災で、1981年以降建てられた建物の被害が少ないことが報告されています。そして、1981年6月に建築基準法が改正され耐震の基準が強化されました。

  • 軟弱な地盤に建っている建物

    日本の各地には軟弱な地盤が多くあります。軟弱な地盤は特に都市部に多く、より大きな揺れを起こすので、建築基準法で壁量を50%増しにすることが定められています。

  • オーバーハングした建物

    2階部分が1階より部分より飛び出ている建物や2階部分を1階の柱だけで支えるピロティー状の建物を指します。不安定な構造にも関わらず、実際人気のあるデザインです。

  • 1階に壁が少ない建物

    1階が店舗や車庫、大きな窓のある建物は壁がない分、耐震性が低くなり1階部分だけが倒壊する危険性があります。

  • 下屋の大きい建物

    建物は1階と2階の外壁線が揃うことで構造上安定します。1階が大きく2階が小さい建物は安定感があるように見えますが、2階の外壁の下に壁がない場合は建物に負担がかかる危険性があります。

  • 老朽化した建物

    築年数の古さだけではなく、シロアリ被害や雨もりによる土台や柱などの腐食腐敗など、強度に影響のある建物を指します。

耐震改修で耐震性2倍の安心安全な暮らしを!

耐震性能を高めるためには、建物の「バランス」が重要なカギです。バランスが考慮されていない部分的な補強では安心できないのです。重要なのは、建物全体を見た柱や窓の配置バランスを考えることです。

精密な調査

現在の住宅で必要な補強個所や度合いを精密に調査します。そして、不要な柱の取り払い、補填が必要な新たな梁や柱の設置、耐震金物や合板の設置で適切な補強を施します。

新築のような耐震性能

地震を想定すると、重い屋根や壁の少ない1階などは不安要素の1つに挙がります。例えば、瓦屋根を板金に替える、丈夫な梁を足す、強度の高い壁をつくるなど、一つ一つ慎重に問題点を改善することで新築のような耐震性能を備えた建物に生まれ変わります。

耐震診断

現在の建物の床下、屋根裏、基礎周りなどにひび割れや腐食がないか、また耐震金具等の備え付けがあるか、専用の検査器具を使って隅々まで調査診断します。