ここ数年来、田舎に住みたい、古民家に憧れるという人が増えています。実際に古民家を購入し、古民家での暮らしを楽しんでいる人も少なくありません。一方、「住んでみたいけれど、古民家は寒いらしい」「大地震が発生しても大丈夫なのだろうか?」「通勤、通学の利便性を考えると、古民家が建っている地域は遠い」などの理由で、実現に踏み切れない人も多いのではないでしょうか?
現在、古民家で暮らしていらっしゃるご家族の中には、暮らしにくくなってきたので、何とかしたいという想いがあるかもしれません。
古民家は、古民家の良さは残し、暮らしにくさは改修工事するというリノベーションによって、伝統的な美しさを持つ家、暖かい家、地震が来ても安全な家に生まれ変わらせることができます。コロナの影響で、リモートワークに切り替える会社が増えています。富士通のように、原則テレワークへの移行を計画する会社もあります。この流れを考えると、都内の暮らしにこだわって、高額で狭小な土地を購入し、狭小住宅で暮らすことに、疑問を感じる人もいるでしょう。自然豊かな土地で、ゆったりした空間と、木や紙などの自然素材で造られた美しさを持つ家で暮らす毎日は、心にも身体にも心地よい生活です。
古民家の魅力
社会状況や暮らし方の変化よって、日本の住宅も変わり続けてきました。昔の日本の家は、木、紙、漆喰、陶器など、自然素材だけで造られていました。瓦葺きの屋根の木造住宅で、内装にも、障子や畳、塗り壁が使われた家です。これらの自然素材が古民家の魅力の一つです。
古民家に使われている自然素材の良さ
構造部や天井、床、壁に使われる木材、障子や襖に使われる和紙、畳、屋根瓦、壁に塗られる土や漆喰名は、すべて自然素材です。化学製品ではないこれらの自然素材には、共通した良さがあります。
時を経るごとに味わいを増す
自然素材には、温もりがあり、強さと優しさを感じさせる質感がありますが、その質感は、時とともに、より味わいを増していきます。柱や梁、天井、壁、床に使われている木材は、紫外線を浴び、人間の手足から出る皮脂を吸収することによって、深い色合いになり、艶が出てきます。柱や梁は、囲炉裏からの煙で燻されて、色合いが増すだけではなく、内部が乾燥し、より強靭になっていきます。
張替えで美しさ、清潔さを維持し続ける
ふすまや障子、畳は、古くなったら張替えをし、常に清潔できれいな状態を維持できます。特に畳は、裏返し、表替えしもするので、10~15年もの間、良いコンデイションを保ち続けられます。
室内環境を調える
古民家に使われている自然素材の共通した性質の一つが、調湿性です。空気中に水分が増え、湿度が高くなれば水分を吸収し、サラッとした空気にします。空気が乾燥してくれば、水分を放出し、しっとりした空気にします。湿度の高い日本において、自然素材を多用した理由は、木が豊富だったということに加え、調湿性を利用するという生活の知恵だったのではないでしょうか?
加えて、通気性に富んでいます。どの素材も内部に空気を含んでいる呼吸する建材です。昔は、現在のような換気システムはありませんでしたが、通風に配慮されていました。そして、自然素材が家の中の換気を補っていたのです。反対に考えれば、隙間風の多い家=日本の家は寒いということになってしまう訳です。リノベーションでは、必要な通気性は持たせつつ、暖かい家にする為の気密性を高められます。
古民家の持つ設計の知恵
古民家には、室内環境を良くするための様々な設計の手法が講じられています。現在の家は使われることが少なくなったそれらの手法を、活かすリノベーションの方法もあります。
越屋根と頂側窓
古民家に使われる屋根の中に、最近ではほとんど見られなくなった越屋根があります。越屋根は、囲炉裏やかまどの煙を排出させるために、屋根の上に載っている小さな屋根です。この屋根のついた古民家の内部は、天井が高く、開放的な空間です。越屋根の窓から陽射しは、家の奥まで明るさを届けます。また、低いところから高いところに流れる風の性質が活かされ、広い風の通り道ができます。天窓のように高い位置についていますが、屋根についているわけではなく、壁の側部に設けられているので、窓からの雨漏りの心配がありません。
軒
近年は、箱形デザインの家が増え、軒のない家も少なくありませんが、古民家には深い軒がついています。深い軒は、夏の強い直射熱を遮り、室内の温度上昇を抑えます。加えて、雨や雪が家の中に入ったり、壁を傷ませたりすることも防ぎます。縁側の軒は、陽射しの強い日や雨の日でも、縁側を心地よく過ごせる場所にし、玄関の軒は、雨の濡れず傘を畳める場所を創り出します。
引き戸・襖・障子
引き戸はとても使い勝手の良い出入り口です。前方に場所をとらないので、開口部の幅が制限されず、バリアフリーにしやすい、気候に合わせて開く幅を変え、ちょうど良い分量の風を通せる、部屋と部屋の間の襖を外せば、大広間になるなどの良さがあります。ただ、古民家の田の字型になっている部屋のままでは、プライバシーが保てないので、部屋を独立させたいというご要望があります。そのような場合には、リノベーションの際に襖を何か所が間仕切壁にするなどの間取り変更もできます。
加えて、ふすまは、襖紙、色や質感、意匠性によって、清廉な雰囲気、豪華な雰囲気など室内を様々に演出できます。障子は、障子紙を通して室内に射し込む陽射しを柔らかくするとともに、外部からの視線を遮ります。
ランマ
鴨居と天井の間に光や風を通します。家の中心部にある暗い部屋にも光が届き、風通しも良くなります。古民家に多くみられる、凝った装飾が施されたランマは非常に貴重です。
縁側
自然を家の中に採り入れるという日本の暮らし方を現わしている場所の一つが縁側です。板張りの縁側と、部屋の間には、掃き出し窓が連なっているため、冬の日中は、暖かい陽射しに溢れる、暖かい場所です。天気の悪い日や夜間は、大開口によって、縁側も、縁側に繋がる居室も冷え込む場所になってしまいます。リノベーションの際には、断熱サッシに交換し、天気の悪い日や夜間も暖かく過ごせるようにします。
濡れ縁
現在の住宅に設けられているウッドデッキと同じような使い方ができる場所です。深い軒との組み合わせで、雨の日でも、濡れずに戸外の季節の移り変わりを楽しめます。
玄関
近年、床面積を節約するため、玄関は最小限の面積にする家が増える傾向にありますが、古民家には広い玄関があります。広い玄関は、お客様をゆったりとお迎えでき、家族も気持ちよく出入りができます。リノベーションの際に、その広さを利用し、玄関内に土間収納を設けると、ベビーカーやスポーツ用品などが収納でき、玄関内を常にすっきりさせられます。
土間
古民家には、キッチンに土間がある家がほとんどです。キッチン土間のある家は、少なくなりましたが、近年、新築住宅でも人気が高まっている便利な場所です。泥付き野菜を置いたり、調理中に野菜くずを落としてしまったりしても、水を流して掃除ができます。夏は、戸外の景観を楽しみながら食事ができる場所でもあります。
ただ、冬は冷え込み、調理や食事の時間が辛いという場所でもあります。リノベーションのサイに、床、壁、天井の断熱性を高めることで、土間があっても、冷えない空間に変えられます。
また、土間の段差が高齢者や、小さな子供にとっては、踏み外しや、転落のリスクを生みます。リノベーションの際には、段差を低くし、移動の危険をなくすことができます。
***
現在古民家にお住まいで、暮らしにくさを感じている場合、建て直しで、古民家の良さを無くしてしまうのは、非常にもったいない話です。RenoBASE8は、古民家の良さを失わせず、現代の暮らし、ご家族の暮らしや価値観に合った家に、生まれ変わらせます。古民家の購入をご計画の場合にも、ぜひご相談ください。
リフォームやリノベーションを検討し始めると、どのくらいに期間と費用がかかるのだろう?工事中はどうやって生活するのかしら?など、様々な疑問が出てきます。どんなことでも、どうぞご相談ください。大事な持ち家を大切にしながら、より暮らしやすい家にすることが、RenoBASE8の基本です。より良い暮らしができる家にしたいという想いを叶えるお手伝いをさせてください。