家のリフォーム・リノベーションのかかる費用は、リフォーム範囲によって変わってきます。リフォーム・リノベーションには、住宅設備機器の交換、クロスの張替えといった小規模なリフォームから、新築にするような一軒まるごとリフォーム・リノベーションまであります。今回は、非常に幅広い家のリフォーム・リノベーションの中から、新築にするような一軒まるごとリフォーム・リノベーションと、建て替えの違いについて、考えていきたいと思います。
新築にするような一軒まるごとリフォーム・リノベーションとは?
家の中を部分的に変えるのではなく、家全体を一新するリフォーム・リノベーションです。リフォームとリノベーションの違いは、言葉上の違いであって、実質の工事は同じです。施工業者によって、大規模な変更はリノベーション、部分的な変更はリフォームというように定義しているケースもあれば、すべてをどちらかの言葉で統一しているケースもあります。
その中で、新築にするような一軒まるごとリフォーム・リノベーションの方法には、主に2つの方法があります。
骨組みだけ残す方法
土台、柱、梁などの構造部だけを残し、屋根、床、壁をすべて撤去する方法です。外観、間取り、内装を現状の土台の範囲内で、自由に変更でき、新築のように生まれ変わります。新しい間取りに合わせて、窓の位置やサイズを変更できるので、間取りへの自由度が非常に高いという特徴があります。
現在の家の新築時と、現在の周辺の状況の変化があり、日当たりと風通しが悪くなった、隣に家が建ち、隣家からの視線が気になるようになったというようなことがあった場合、窓の変更によって、日当たりと風通しを良くすることができます。
骨組みと外壁を残す方法
土台、柱、梁などの構造部と、外壁を残す方法です。骨組みだけを残す方法との違いは、外壁を残すことです。その為、窓の位置を変えたり、サイズを大きくしたりするような変更はできません。日射が強すぎる、冷気が入ってくるというような問題がある場合には、窓のサイズを小さくしたり、窓を無くしたりことはできます。
共通する特徴
どちらの方法であっても、住宅性能を格段に向上させられます。住宅性能とは、主に耐震性と断熱性です。築年数の古い家では、現在の建築基準法に定められている耐震基準を満たしていないケースがほとんどです。耐震基準は、大地震が発生する度に、住宅の被害状況を調査しています。その結果、判明した損壊や倒壊の原因を活かし、新しい基準を定めて法改正を重ねています。特に、1981年6月1日以前に建築された建物は、旧耐震基準なので、現在の基準とは大きく違います。その後も、大地震の度に基準は改正され続けています。したがって、リフォーム・リノベーションで、新築時以上の耐震性を備えた家に変わります。
同時に、古い家では、断熱性が低い家が少なくありません。一方、近年、家庭での消費エネルギーを減らす為に、住宅の断熱性は上がり続けています。住宅の断熱性は、省エネという観点から見ても、重要な部分ですが、同時に暮らしを快適にする要素でもあります。断熱性の高い住宅は、最小限の冷暖房で、1年を通して快適な室温を維持できるからです。
建て替えとの違い
建て替えとは、現在の住宅を解体、撤去し、新築住宅を建築することです。それでは、建て替えと、まるごとリフォーム・リノベーションの違いにはどのようなことがあるのでしょうか?
現在の住宅の良さを残せる
長年住んだ家には愛着もあり、現在では手に入りにくいような貴重な建材が使われていることもあります。建て替えの場合、すべてが失われてしまいますが、まるごとリフォーム・リノベーションでは、現在の家にある建材を活用できます。
費用
建て替えの場合にかかる費用は、解体と撤去にかかる費用と、新築住宅の建築費です。木造住宅の解体と撤去にかかる費用の相場は、坪単価4~5万円、工事費の相場は、坪単価40〜90万円です。
一方、リフォーム・リノベーションに場合は、解体と撤去にかかる費用と、リフォーム・リノベーションの工事費用を組みあわせて提示されます。現在の家の状態や、リフォーム・リノベーションの方法によって、解体と撤去にかかる費用が変わってくるからです。しかし、全面解体、撤去に比較すると、費用が抑えられることは確実です。解体と撤去にかかる費用も含めて、全面的なリフォーム・リノベーションにかかる工事費等の相場は、1,500〜4,000万円です。建て替えであっても、リフォーム・リノベーションであっても、住宅の規模、住宅性能、建材や住宅設備機器のグレードによって、全体的な価格は変わりますが、同じグレードの家であれば、リフォーム・リノベーションの方が工事費を抑えられます。
また、リフォーム・リノベーションには、予算や目的によっては、1階だけまるごとリフォーム、または、今ある家を活かして計画する内部まるごとリフォームなど、リフォームの規模に選択肢があるという良さがあります。
工事期間
建て替えの場合、4~8か月の工事期間がかかります。一軒まるごとリフォーム・リノベーションの場合、4~6か月の工事期間がかかります。
登記
建て替えの場合には、必ず登記が必要です。リフォーム・リノベーションでは、増築によって床面積が増えるというケース以外には、登記の必要がありません。
建て替え、一軒まるごとリフォーム・リノベーションそれぞれの問題点
建て替えにも、一軒まるごとリフォーム・リノベーションにも、それぞれ問題点があります。
建て替え:現在の家より小さくしなくてはならない場合がある
建て替えには、法的な規制によって、新しい家を希望通りに建てられない場合があります。
築年数の長い家では、現在の建築基準法に定められている建ぺい率を越えているケースが少なくありません。建ぺい率とは、地域によって割合は異なりますが、敷地に対して、建てられる住宅の床面積を定める数値です。
敷地面積だけを見た場合、建ぺい率内で建てられた家であっても、道路との位置関係によっては、住宅の面積に制限がかかる場合があります。敷地が面している道路が2メートル以下であった場合、接道義務を果たすため、敷地内にセットバック部分を開けなくてはならないからです。接道義務とは、火災や地震などが発生した際、消防車や救急車などがスムーズに通行でき、住民の避難経路が確保されている状態を維持するための基準です。
その為、敷地に面している道路が2メートル以下の場合には、道路として使える部分を残すため、道路から2メートルまでは、自分の家の敷地であっても、家を建てられません。したがって、道路ぎりぎりまでに建てられた家を建て替えする場合には、セットバック分の面積が削られるので、現在の家より小さな家になってしまいます。
リフォーム・リノベーションに場合、そのような法規制があっても、土台より大きくする増築はできませんが、小さくなる心配もありません。
リフォーム・リノベーション:外壁を壊さない場合、窓の位置が変えられない
まるごとリフォーム・リノベーションで、外壁も壊す工事方法の場合には、窓の位置を変えられるので、自由に間取り変更ができます。しかし、外壁を壊さない場合、窓の位置を変えられません。その為、現在に窓の位置に合わせた間取りを計画する必要があります。
築年数が長くなって、建て替えを計画される際には、費用も期間も抑えられるまるごとリフォーム・リノベーションも選択肢に加えませんか?
工事費以外にも、期間が短縮されるので、仮住まいにかかる費用も抑えられます。暮らしやすい家にしたいけれどどうしたら…?とお考えの際には、RenoBASE8にご相談ください。現在の家の状態に合わせて、暮らしやすい家に生まれ変わらせる最適なプランをご提案します。
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リフォームやリノベーションを検討し始めると、どのくらいに期間と費用がかかるのだろう?工事中はどうやって生活するのかしら?など、様々な疑問が出てきます。どんなことでも、どうぞご相談ください。大事な持ち家を大切にしながら、より暮らしやすい家にすることが、RenoBASE8の基本です。より良い暮らしができる家にしたいという想いを叶えるお手伝いをさせてください。