キッチンのリフォームを検討し始める理由は様々あると思いますが、使いやすいキッチンにしたいという想いは多くの人が持っているのではないでしょうか?
キッチン内は作業がしやすく、ダイニングやリビングとの位置関係も良いけれど、システムキッチン自体をもっと高性能なタイプに替えたいというケースもあれば、キッチンでの作業がしにくい、リビングに来客があった時に慌てないようにしたいというようなケースもあります。
システムキッチンを交換したい場合には、システムキッチンを製造販売しているメーカーのそれぞれの特色を調べ、希望に沿う性能を備えたキッチンを選ぶことで、理想のキッチンリフォームが実現します。一方、キッチンでの作業がしにくい、リビングに来客があった時に慌てないようにしたいというようなケースには、キッチンレイアウトや、間取りを変えるなど、様々なキッチンリフォームの方法が考えられます。
作業がしにくいキッチンをリフォーム
ほとんどの主婦がキッチンに望んでいることは、効率よく短時間で調理ができること、シンク、換気扇など掃除がしやすいこと、片付きやすい収納があることです。このような望みが満たされているキッチンは、作業がしやすいキッチン、欠けている要素があれば、作業がしにくいキッチンになってしまいます。
効率よく短時間でキッチンでの作業ができる
キッチンレイアウトと部屋の広さとの関係によって、キッチンでの作業の効率化が変わってきます。キッチンのサイズとレイアウトが、部屋の広さにあっていない場合、キッチン内での移動がしにくくなってしまうからです。移動のしやすさを考慮すると、キッチンの通路の幅には、1メートルから1,2メートル必要です。キッチンレイアウトの種類について確認しておきましょう。
キッチンのスタイル
キッチンのスタイルには、ダイニングとの位置関係によって4つのスタイルがあり、組み合わせ方によって使い勝手が変わります。
オープンキッチン
ダイニングと繋がっているキッチンです。近年、一般的なキッチンのスタイルです。床面積が節約できることや、キッチンで作業をしている人と、ダイニングやリビングにいる人とのコミュニケーションが途切れない良さがあります。
クローズドキッチン
キッチンだけが独立しているキッチンです。凝った料理を作る人には、調理に集中できる環境です。家族にとっては、調理のニオイや煙がダイニングやリビングに流れていかない良さがあります。床面積に余裕があり、子供が成長している、大人だけの暮らしである、子育て中だが、子供を見守れる人が複数いるというご家族には、問題なく使えるキッチンです。
壁付けキッチン
壁に向いているキッチンです。床面積が節約できます。
対面キッチン
ダイニングに向いているキッチンです。キッチンの前面がダイニングに対して全面的に開放されているタイプと、腰壁などである程度隠されているタイプがあります。
キッチンのレイアウト
対面キッチンにも壁付キッチンに共通するキッチンのレイアウトと、対面キッチンにも壁付キッチンが複合したようなキッチンのレイアウトがあります。
Ⅰ型キッチン
シンクとコンロ、作業台が横一列に並んでいるレイアウトです。壁付にする場合は、間口が広く、奥行きのないキッチンに向いています。対面式にする場合は、奥行きも必要です。対面式Ⅰ型キッチンには、前面に腰壁がついている対面キッチンと、全面がすべて解放され、どの部分も壁に接していないアイランドキッチンがあります。
Ⅱ型キッチン
シンクと作業台、コンロと作業台が平行に並んでいるレイアウトです。どちらか一方は壁付き、もう片方はダイニングに向いています。通路の幅が狭すぎると動きにくくなり、通路の幅が広すぎると、作業がしにくくなってしまいます。間口が狭く、奥行きのあるキッチンに向いています。
L型キッチン
シンクとコンロ、作業台がL字型に並んでいるキッチンです。効率よく作業ができる一方、角がデッドスペースになってしまうことがあります。前面が壁に向いている壁付きタイプと、側面の片側が壁に接し、全面はダイニングに向かって解放されているペニンシュラキッチンがあります。
U型キッチン
シンクとコンロ、作業台がU字型に並んでいるキッチンです。本格的な調理をする専門家などに好まれるレイアウトであり、床面積に余裕がある場合に採り入れられるレイアウトです。
キッチン内での作業をしやすくするワークトライアングル
部屋の広さと形状に合ったキッチンレイアウトを選ぶことで、作業をしやすい通路の幅を確保できます。そして、次に考えたいことは、キッチン内での動線を短くすることです。キッチン内での移動は、作業台を中心にして、シンクとコンロ、冷蔵庫への移動です。通路の幅が確保されていても、この移動が長くなれば長くなるほど、作業の効率は悪くなっていきます。例えば、I型キッチンでは、幅を広く取り過ぎると、移動の距離も長くなり、作業に無駄が出てしまいます。シンクとコンロ、冷蔵庫へは3歩程度の距離が理想的です。
キッチンと間取りの関係
ダイニングキッチンとリビングの間に間仕切壁があり、分かれている間取りでは、リビングを客間としても活用できる良さがあります。その一方、ダイニングもキッチンも狭く、キッチンには作業がしにくい、ダイニングにはゆったり食事ができないという不満が出ることもあります。
このような場合には、ダイニングキッチンとリビングの間の間仕切壁を無くし、LDKにすることで、広々とさせられます。特に、リビングで過ごすことが多いというライフスタイルの家族にとっては、調理や配膳のお手伝いがしやすくもなります。対面スタイルのキッチンにすれば、キッチンで作業中の人も、家族とのコミュニケーションが途切れません。
ただ、リビングを客間としても使うことを前提として考えると、LDKにした場合、来客の視界にキッチンが入ることになります。LDKにリフォームして、来客があっても慌てないキッチンにするためには、2つの方法が考えられます。
見せるキッチンにする
床面積、間口や奥行きの違い、部屋の形状に合わせて、最適な方法を選ぶことが大切です。
床面積に余裕がある場合
アイランドキッチンやペニンシュラキッチンと、見せる収納を選び、生活感の出る要素は、すべて効率よくしまえる収納スペースを設けるという方法です。来客が多い家族や、全員で調理を楽しむ家族には、最適な方法です。ただ、最低でも6畳程度の床面積が必要です。一般的な対面キッチンに必要な面積は、キッチン自体の面積と、通路の幅、食器棚などを併せて、4,5畳程度ですが、アイランドキッチンは、キッチン自体のサイズも大きい上に、すべての方向に対して通路の幅が求められるからです。
キッチンに6畳、ダイニングに6畳使っても、十分なリビングの広さが確保できなくてはなりません。十分な床面積がなければ、せっかくダイニングキッチンとリビングを繋げても、使い勝手の悪いキッチン、居心地の悪いリビングになってしまう恐れがあります。
床面積が限られている場合
最も床面積が倹約できるキッチンレイアウトの壁付I型キッチンにし、おしゃれな食器や鍋を並べた壁面収納を活用して、見せるキッチンにする方法です。造作キッチンにして、視界に入る部分は、センスの良さを活かした見せる収納、入らない部分は、引き戸にして生活感の出る物をしまえる収納にする方法も考えられます。床面積が限られている場合、部分的にシステムキッチンを採り入れ、造作家具と組み合わせることで、個性的で洗練されたLDKにリフォームできる場合があります。
隠すキッチンにする
アイランドキッチンにするほどの面積はないが、対面スタイルにしたいという場合には、前面に腰壁のついたⅠ型キッチン、またはⅡ型キッチンが向いています。間口が広い場合にはⅠ型、間口が狭い場合にはⅡ型という考え方もできます。どちらの場合も、前面に腰壁をつけると、手元が隠れます。
キッチンのリフォームの基本は、現在のキッチンが抱える問題を解決することですが、部屋の広さに合わせてリフォーム計画を進めることが、理想のキッチンを実現させます。
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リフォームやリノベーションを検討し始めると、どのくらいに期間と費用がかかるのだろう?工事中はどうやって生活するのかしら?など、様々な疑問が出てきます。どんなことでも、どうぞご相談ください。大事な持ち家を大切にしながら、より暮らしやすい家にすることが、RenoBASE8の基本です。より良い暮らしができる家にしたいという想いを叶えるお手伝いをさせてください。