住宅の構造躯体に比べると、住宅設備機器や内装の耐用年数は短く、10~15年で交換の時期がやってきます。また、暮らしの変化によって、使い勝手が悪くなることもあります。
このような時に、暮らしやすさを維持するために行われるリフォーム、リノベーションには、大きな幅があります。また、住宅設備機器には、キッチンや浴室で使われているシステムキッチンやシステムバス、暖房・給湯機器などがあります。その中で、一番こだわりたいリフォームの場所として、多くの人があげている場所がキッチンです。
キッチンリフォームの方法は、システムキッチンを交換し、壁紙と床材を貼りかえるというるシンプルなフォームから、リビングとの位置関係も含めて、キッチンレイアウト、ダイニングキッチンの間取りを変える大掛かりなリノベーションまで様々です。キッチンのリフォームをする理由と目的に合わせたリフォームにはどのような方法があるのでしょうか?
今より使いやすく、見栄えも良い素敵なキッチンにしたいという想いは、キッチンリフォームに対する基本的な希望だと思います。その中で、具体的には、壁付キッチンから対面キッチンにしたいという希望が多い傾向にあります。
対面キッチンのレイアウトには、腰壁付き対面キッチン、L字型対面キッチン、アイランドキッチン、ペニンシュラキッチンがあります。壁付キッチンから対面キッチンのリフォームは、キッチンの床面積や、ダイニングリビングとのつながり方によって、選べるキッチンレイアウトやリフォームの方法が変わってきます。
壁付キッチンから対面キッチンにしたい理由に合わせて、リフォームの方法を考えていきましょう。
子育てに向けて対面キッチンにしたい
子供が生まれるので、調理や後片付けをしている時にも、子供を見守れる環境を作りたいという家族は少なくありません。子育て中の家族にとって、対面キッチンは、子供の見守りがしやすいキッチンだからです。
長期優良住宅化リフォーム推進事業における、子育て世帯向け改修工事の内容にも、子供の様子見守りという項目の中に、対面形式のキッチンへの移設・交換工事が、補助対象工事として挙げられています。さらに、ダイニングキッチンからリビングまで見渡すことができるよう、間仕切壁を移設するなどの間取り変更工事も、補助対象工事とされています。
ただし、床面積な十分にない場合には、対面式にすることで、キッチンの使い勝手が悪くなる恐れがあります。対面キッチンは、壁付キッチンより広い面積が必要なキッチンレイアウトです。その為、調理スペースが狭くなる、調理台下の収納スペースが減るなど、キッチンのサイズが小さくなってしまうのです。
家族に人数にもよりますが、壁付の時より調理台が狭くなると、調理がしにくくなることが考えられます。また、壁面とキッチンの間の幅を十分に確保できなければ、作業がしにくく、子供が調理のお手伝いなどをするなど、複数人での作業もできません。
床面積が対面キッチンにするには狭い場合には、同じ床面積であっても、幅や奥行きによっては、Ⅱ型レイアウトや対面L字型にすることで、狭さによる作業のし難さを避けられる場合もあります。
来客の視線が気にならないキッチンにしたい
リビングダイニングと直線状に繋がっているので、来客があった時、キッチンがすべてお客様の視界に入ってしまう状態を改善したいという悩みもよく聞かれます。
床面積の余裕がある場合には、対面キッチンにできますが、床面積が狭いと使い勝手の悪いキッチンになってしまう恐れがあります。その場合には、キッチンとダイニングは繋げたままにし、ダイニングとリビングの間に引き戸を設置する方法が考えられます。家族だけで過ごす際には、引き戸を開放して広く使い、来客の際には引き戸を閉じて視線を遮れます。
ただ、壁付キッチンは、以前に比べてデザインの選択肢が増えています。収納を充実させれば、壁付のままでも、生活感のない、見栄えの良いキッチンにできます。床面積が狭い場合には、無理に対面式にせず、好みに合うデザインの壁付キッチンを選び、壁やデッドスペースを利用して、収納を充実させるという選択肢もあります。
調理をしながら家族とのコミュニケーションをとりたい
このような場合には、腰壁付きの対面キッチンにして、手元を隠す方法と、アイランドキッチンにして、見せるキッチンにする方法があります。
アイランドキッチンは、おしゃれなデザインが多く、リビングダイニングと繋がっている間取りの家には、人気の高いキッチンレイアウトです。キッチンの周囲に壁がないので、キッチンの周りを回遊でき、リビングダイニングにいる家族とコミュニケーションがとりやすい、複数人で調理をしたり、配膳のお手伝いをしたりできるという良さがあります。家族揃って食事の支度をする、お客様を招いてホームパーティをすることが多いというようなご家庭にはぴったりです。
ただし、対面キッチンとアイランドキッチンを比較すると、アイランドキッチンの方が広い床面積が必要です。アイランドキッチンにはしたいけれど、床面積が足りないという場合には、片側が壁についているペニンシュラキッチンという選択肢もあります。ペニンシュラキッチンであれば、アイランドキッチンの開放的な雰囲気を持ちつつ、腰壁付き対面キッチンと同程度の面積で設置できます。
また、アイランドキッチンは、キッチン自体が他のキッチンレイアウトに比べて高額であること、油や匂いが拡がらないよう、天井に高機能な換気扇を設置する必要があることなどから、対面式キッチンにするより、リフォーム費用が嵩みます。
腰壁付き対面キッチンにする場合には、腰壁の他に、ダイニング側にカウンターを設けることができます。子供が就学する頃になったら、そこで宿題をしたり、おやつを食べたりできるので、キッチンで家事をしているお母さんとのコミュニケーションがとれます。
対面キッチンにリフォームする場合の必要床面積は、壁付キッチン→Ⅱ型キッチン、L字型キッチン(間口と奥行きによって面積を節約できる場合と、広く必要になる場合がある)→ペニンシュラキッチン、袖壁付き対面キッチン→アイランドキッチンの順で、広くなっていきます。床面積に合わせて、最適なキッチンレイアウトを選びましょう。
キッチンの使い勝手を左右する収納スペース
キッチンレイアウトに次いでキッチンの使い勝手に影響するポイントは収納です。キッチンリフォームの際は、家族の人数に合った収納スペースの確保が大切です。
キッチン内に常に物が溢れてしまう
必要な物が調理中に取り出しにくい
買い出ししてきた食料品を収納に手間がかかる
というような問題を改善するためには、収納の位置とサイズがカギを握ります。
床面積に応じて、パントリーを設置すると、収納の問題を解決できます。パントリーと聞くと、広いウォークインスペースが思い浮かぶかと思いますが、それだけではありません。独立した小部屋のようになっているパントリーだけではなく、壁面を利用した棚や、階段下などのデッドスペースを利用してもパントリーは造れます。
パントリーを作る際に大切なことは、どこに、どんなサイズのパントリーを作るかということです。リフォームの場合、新築に比べて、調理家電のサイズ、食器の数、日常的にストックする食料品の量などが明確です。また、家の中での行動もわかっています。したがって収納したい物のサイズに合わせた奥行きと幅の収納を、動線にあった場所に造れます。ここがリフォームの強みです。
キッチンに勝手口がある場合、勝手口の近くにパントリーを設置できれば、玄関を通らず、買いこんできた食料品を収納できます。収納するもののサイズに合わせた棚にすれば、無駄なスペースなく、収納を活用できます。リフォームでパントリーを作る際には、この辺にこのくらいの大きさの収納というおおよその注文ではなく、収納するもののサイズを計る、調理家電を収納する場合は、コードの長さを計り、コンセントの位置を決めるなど、具体的に計画を進めることが大切です。
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リフォームやリノベーションを検討し始めると、どのくらいに期間と費用がかかるのだろう?工事中はどうやって生活するのかしら?など、様々な疑問が出てきます。どんなことでも、どうぞご相談ください。大事な持ち家を大切にしながら、より暮らしやすい家にすることが、RenoBASE8の基本です。より良い暮らしができる家にしたいという想いを叶えるお手伝いをさせてください。