住宅設備機器であるキッチンキャビネットは、耐用年数が10年から15年なので、新築から10数年経つと、システムキッチンを交換する時期を迎えます。このタイミングで、キッチンキャビネットの交換だけではなく、リビングも併せてリフォームするケースは少なくありません。
家にいる時間は、ほとんどリビングで過ごすというライフスタイルの家族が増えている今、キッチンとリビングの間の間仕切りを取り除いて、広々としたリビングにするというリフォームは、人気の高いリフォームです。
また、子育てに備えて、壁付キッチンから対面式にし、キッチンでの作業中にも、リビングの子供を見守れるようにするケースもあります。この場合、子育て住宅へのリフォームなので、補助金が受けられる可能性もあります。
キッチンキャビネットを交換するチャンスに、より居心地の良いリビング、より作業をしやすいキッチンにしませんか?
キッチンのリフォームでキッチンキャビネットの位置やレイアウトを変更の際に注意するポイント
キッチンキャビネットの位置を、壁付から対面にする場合、キッチンの床面積とキッチンキャビネットに必要な床面積を照らし合わせながら、交換するキッチンキャビネットを選ぶことがポイントです。対面キッチンの中でも、オシャレなアイランドキッチンやペニンシュラキッチンは人気の高いキッチンレイアウトですが、他のキッチンレイアウトに比べて、広い床面積を使います。
イメージだけで選んでしまうと、せっかくリビングと繋げて広々とさせるはずだったのに、身動きできないようなLDKになってしまう恐れがあります。キッチンのレイアウトの種類によって変わる必要な床面積について確認しておきましょう。
Ⅰ型キッチン
シンク・コンロ・作業台が横一列に並んでいるレイアウトです。壁に向けて設置することも、対面キッチンにすることもできます。アイランドキッチンもⅠ型キッチンの一種です。壁向きに設置すると、すべてのキッチンレイアウトの中で最も床面積が節約でき、アイランドキッチンにすると最も床面積を使います。
一般的なⅠ型キッチンキャビネットのサイズは、間口180~300センチ、奥行き65~60センチ程度です。したがって、小さなサイズのキッチンキャビネットを選び、壁に向けて設置すると、3,5畳程度にキッチンの面積を抑えられます。
加えて、壁に向けて設置する場合には、ダイニングテーブルとの間の、通路の幅を確保するだけですが、対面式にすると、壁とキッチンキャビネットの間と、片側面に通路を確保しなくてはなりません。通路の幅は、一人で作業する場合には80センチ程度、2人で調理をする場合には、120センチ程度が必要です。
同じⅠ型でも、アイランドキッチンとペニンシュラキッチンは、他のⅠ型よりサイズが大きく、アイランドキッチンは、間口は240~270センチ、奥行きは75~100センチ、ペニンシュラキッチンは、間口は180~270センチ、奥行きは75~100センチです。ペニンシュラキッチンの場合は、他のⅠ型キッチンと同じように、壁との間と片側面の通路が必要です。アイランドキッチンでは、キッチンキャビネットと壁の間と、両側面に通路が増えます。その為、アイランドキッチンにする場合には、最低でも6畳程度の面積が求められます。
Ⅱ型キッチン
シンク・コンロが平行に並んでいるキッチンレイアウトで、片側が壁付、片側が対面になっています。間口が狭く奥行きが長い形状のキッチンに向いています。ワークトライアングルが生まれるので、作業のしやすいキッチンです。シンクとコンロの間の通路の幅を80センチに抑え、小さいサイズのキッチンキャビネットにすると、床面積を3畳程度に抑えられますが、作業はしにくくなってしまいます。100~120センチの通路の幅にすると、使い勝手が向上します。
L型キッチン
コンロとシンクが、L型に並んでいるキッチンレイアウトで、壁付にも対面にもできます。一般的なL型キッチンのサイズは、シンク側の間口が195~255センチ、コンロ側の間口が165~180センチ、奥行きは65センチ程度です。
ペニンシュラキッチンは、奥行きが75~100センチと長くなるので、6畳程度の面積が必要ですが、一般的なL型キッチンの中でも小さいサイズのキャビネットであれば、床面積を3畳以下にできます。
U型キッチン
コの字型のキッチンレイアウトで、壁付タイプにも、対面タイプにもできます。アイランドキッチンに次いで床面積を必要とします。シンクの奥行きは75~100センチ、コンロの奥行きは65センチ、作業台の奥行きは45~65センチ程度あるからです。シンク、コンロ、作業台に囲まれているので、短い動線で、効率よく作業ができ、収納も十分に取れます。ただし、作業中にリビングとのコミュニケーションを図りたい、子供を見守りたいという場合には、不向きなレイアウトです。料理に集中したい、日常的に凝った料理を作るというような人に好まれます。
リビングとのバランス
ダイニングキッチンとリビングを繋げた間取りにする場合、間仕切壁を取り払った時の床面積に対して、キッチンとリビングの床面積の割合が、新しく生まれるLDKの居心地の良さ、キッチンの使いやすさに繋がります。
間仕切壁を取り払った時の床面積を、キッチン、ダイニング、リビングに割り振るからです。床面積が20帖以上あれば、使いやすいキッチンと、ゆったり食事ができるダイニング、広々としたリビングにできますが、16帖以下であれば、割り振りに工夫が必要です。
16帖のLDKでは、壁付キッチンにして、キッチンの面積を抑える、ダイニングセットとソファセットに別けず、併用する、キッチンキャビネットと造作テーブルを繋げ、ダイニングの面積を抑えるなどの方法で、リビングを広く使えます。
18帖のLDKでは、対面キッチンを採用しても、ダイニングセットとソファセットを両方置けます。キッチンにパントリー、または、リビング内にファミリークローゼットを設けることもできます。
20帖のLDKでは、対面キッチンの中でも、ペニンシュラキッチンを採用できます。または、一般的な対面キッチンにし、リビングの一部に子供が勉強したり、リモートワークをしたりするコーナーを設けることもできます。
22帖以上のLDKでは、アイランドキッチンや、U字型キッチンを採用しても、十分な収納や、ワークスペースなどがある広々としたリビングにできます。
割り振りを決める上で大切なことは、家族構成と家族の暮らし方です。子育てに備えてのリフォームであれば、子供を見守れる間取りにすることが最優先です。対面キッチンにして、キッチンキャビネットの前面にカウンターを設置すると、子供が就学してからも、食事の支度をしながら、子供の宿題を手伝ったり、話を聞いたりできます。
子供たちがすでに、中学生、高校生になっているという場合には、壁付キッチンにして、キッチンの面積を抑え、リビングを広くするという考え方もあります。家族全員で食事の支度をする、お客様を招いてパーティーを楽しむことが多いというような家庭では、床面積に余裕があれば、アイランドキッチンを採用できます。
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リフォームに際しては、壁を取り払った時の床面積と、家族構成、家族の暮らし方を併せて、計画を進めることが大切です。賢く計画して、居心地がよく広々としたリビングと、使い勝手の良いキッチンを実現させましょう。
リフォームやリノベーションを検討し始めると、どのくらいに期間と費用がかかるのだろう?工事中はどうやって生活するのかしら?など、様々な疑問が出てきます。どんなことでも、どうぞご相談ください。大事な持ち家を大切にしながら、より暮らしやすい家にすることが、RenoBASE8の基本です。より良い暮らしができる家にしたいという想いを叶えるお手伝いをさせてください。