キッチン、浴室、洗面所、トイレは、水を使う場所なので、清潔な状態を維持したい場所です。加えて、水漏れなどによる劣化がある為、10年を目安に、リフォームをすることが理想とされています。
見た目がきれいで、使い勝手も悪くなっていないとしても、水漏れが発生していると、構造部が腐朽してしまう恐れがあるからです。構造部が腐朽すると、耐震性が低下し、地震が発生した時に、被害を受けてしまう可能性があります。
また、住宅設備機器は、日々進化しているので、リフォームで最新の設備に交換すると、驚くほど使い勝手が良くなっています。
費用面から考えると、キッチン、浴室、洗面所、トイレなど、水を使う場所のリフォームは、部分リフォームの中で、費用の幅が出るリフォームであり、比較的費用が嵩むリフォームです。その為、水回りのリフォームは、まとめて行い、耐震補強も同時にすると、効率が良く、バラバラにするより費用が抑えられます。
個別の費用を比較すると、在来タイプからシステムタイプへ、システムタイプから在来タイプへのリフォームは、費用が嵩みます。システムタイプからシステムタイプへのリフォームが、最も手軽ですが、住宅設備機器のグレードによって、費用が大きく変わります。
キッチンのリフォーム
最も一般的で、手軽なリフォームは、システムキッチンからシステムキッチンへの交換です。システムキッチン自体の価格は、グレードと、キッチンレイアウトの違いによって変わります。最高グレードのアイランドキッチンを選ぶと、キッチン本体価格だけで700万円以上するシステムキッチンもあれば、10万円台の小さいサイズの壁付キッチンもあります。一般的には、標準的なグレードのシステムキッチンであれば、およそ50万円程度、ミドルクラスでおよそ70万円、ハイクラスでは100万円以上です。
床板の張替えも行う場合には、6畳程度のキッチンをフローリングにする場合には、およそ6~18万円、クッションフロアでは4~10万円というように、面積や素材によって費用が変わってきます。壁の張替えをする場合、キッチンパネルを貼り付ける方法は比較的価格を抑えられ、タイル張りにすると費用が嵩みます。
交換の際に、キッチンの位置を変えるケースもあります。中でも人気の高いリフォームは、壁付キッチンから対面式キッチンにするリフォームです。
この場合は、住宅設備機器本体の費用に加えて、水道やガス、電気の配管工事、床板やクロスの張替えを伴うので、標準的なグレードのシステムキッチンであっても、150万円以上かかります。
システムキッチン本体のグレードの違い、床や壁の面積と素材の質の違い、水道やガス、電気の配管工事の移動距離の違いによって、費用が変わります。
ただし、キッチンレイアウトや、位置を変えるリフォームの場合、キッチン自体の床面積に合わせて変更しないと、使い勝手が悪くなってしまいます。
壁付キッチンであれば、キッチンのサイズによっては、3,5畳程度の床面積にも収まりますが、アイランドキッチンにする場合には、6畳程度の面積が必要です。壁付キッチンから対面にする場合、通路の幅+キッチンの幅を十分に確保できる面積があることを確認する必要があります。通路の幅を確保しても、作業台が小さくなる、作業しやすい作業台の幅を確保しても、通行しにくいとなると、どちらも使い勝手の良いキッチンではなくなってしまいます。
浴室のリフォーム
ユニットバスからユニットバスへの交換は、最も手軽にできる浴室のリフォームです。本体価格+オプション価格+工事費なので、費用もわかりやすいです。費用は、ユニットバスのグレードと、オプションによって変わってきます。
標準的なユニットバスであれば、本体価格は40万円程度、ミドルクラスでおよそ70万円、最高グレードであれば、170万円です。
築年数の古い家では、寒い浴室が多い為、リフォームの際に、ユニットバスの交換に際して、寒さ対策も必要です。在来浴室からユニットバスに交換するだけでも、かなりの寒さ対策になりますが、オプションの選び方、窓の断熱で、万全な寒さ対策ができます。
具体的には、断熱性の高い床材や、壁パネルを選ぶ、浴室暖房をつける、窓のサイズを小さくし、断熱窓にする、などの方法で、浴室の寒さ対策ができます。
在来工法の浴室からのリフォーム
現在、在来工法の浴室である場合には、ユニットバスからユニットバスへの交換より少し複雑で、浴槽のサイズや浴槽の設置方法によって、リフォームの方法と費用が違ってきます。
浴槽が埋め込まれているタイプの場合、埋め込まれている部分を解体し、新たな下地を作る為の費用が加算され、費用が嵩みます。置き型タイプの場合には、工事費用は15万円程度です。浴槽の材質によっても価格が変わります。FRPでおよそ25万円前後、人工大理石で30万円~、ホーローでは35万円前後です。
交換の際に、浴室のドアや、水栓、床や壁のタイル張り替えなどを同時に行うと、40万円程度加算されるので、80~100万円程度の費用が必要です。
在来工法の浴室は、ユニットバスのように規格寸法に沿って作られていない為、浴室の面積によっては、ユニットバスに変更することによって、浴室自体が狭くなってしまうことがあります。
在来浴室の寒さは解決したいけれど、狭くなるのは嫌だという場合には、在来工法の浴室のままにし、壁と床にパネルを張り、浴槽を交換するという方法があります。
在来工法へのリフォーム
快適さの為に、在来工法の浴室から、ユニットバスへのリフォームをするケースがほとんどですが、中にはこだわりのリフォームもあります。檜のお風呂にしたい、タイル張りにしたい、猫脚のバスタブを置きたいなど、こだわりの浴室にしたいというようなユニットバスから在来工法への浴室リフォームです。この場合、パーツを組みたてて、リフォームするユニットバスより、関わる職人さんの種類が多くなるので、手間も費用もかかります。
耐震補強
浴室の交換リフォームを始めてみると、シロアリの被害が発生していたり、水漏れで床下の土台が腐朽していたりすることがあります。このような場合には、浴室下の土台の交換をします。しかし、それだけではなく、家全体の耐震補強をしておくと、非常に安心です。築年数の古い家には、現在の耐震基準を満たしていない住宅が多くあるからです。
洗面所のリフォーム
洗面所のリフォームは、洗面台の交換、床やクロスの張替え、窓のサイズ変更などを組み合わせて行います。洗面台の交換は、洗面台のサイズとグレードによって大きく変わります。2万円台から60万円台までの幅があります。
小さいサイズでシンプルな洗面台への交換だけなら、工事費を含め20万円以内に収められます。床や壁の張替えをした場合には、床や壁の面積、洗面台のサイズやグレードによる幅がありますが、50万円以内に抑えられます。
また、最近人気が高い洗面所のリフォームには、造作洗面台と、造作収納にするリフォームがあります。ミドルタイプのシステム洗面台と同じ程度の費用がかかります。
洗面所が寒いという問題がある場合には、窓のサイズを小さくし、断熱窓にする工事も付け加えると、洗面所の寒さが解決します。
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水回りのリフォームには、キッチンやユニットバスなどの本体の購入費用に加えて、電気や配管の工事、大工工事などの工事費用がかかります。リフォームの内容によっては、タイル職人など、関わる職人の数も増えます。その為、個別にするよりも、まとめてリフォームする方が、全体の費用を抑えられます。
住宅設備機器の耐用年数は、どれも10年前後ですので、1回目をまとめてしておくと、2回目にもまとめてできるので、効率的です。
リフォームやリノベーションを検討し始めると、どのくらいに期間と費用がかかるのだろう?工事中はどうやって生活するのかしら?など、様々な疑問が出てきます。どんなことでも、どうぞご相談ください。大事な持ち家を大切にしながら、より暮らしやすい家にすることが、RenoBASE8の基本です。より良い暮らしができる家にしたいという想いを叶えるお手伝いをさせてください。