暮らしの変化に合わせて、間仕切壁を増設したり、減らしたりして、大規模な工事をせずに間取りを変える、住宅設備機器の経年劣化に応じて、浴室やキッチンを改修するというような部分的なリフォームの他に、リノベーションという大規模な改修工事があります。
この改修工事をすると、家は新築のように生まれ変わり、新築時より暮らしやすい家として蘇ります。その理由は、改修前に暮らした家での経験が活きた間取りの家を創り出すからです。
リノベーションの種類と目的
リノベーションには、主に骨組みだけ残して、残りはすべて撤去し、改修する方法と、骨組みと壁を残して改修する方法、骨組み、階段、壁を残して改修する方法があります。それらの中から、リノベーションの目的と予算に合わせて、最適な方法を選べます。
リノベーションの種類と費用の違い
新築のようにするリノベーションには、主に3つの方法があります。
- 組みだけ残すリノベーション
最も間取りの制限がなく、自由度が高い分、費用がかかる - 骨組みと壁を残すリノベーション
間取りは変えられるが、窓の位置や大きさを変えられない(窓を断熱窓に交換することはできるので、窓の断熱性は向上させられる) - 骨組みと階段と壁を残すリノベーション
階段の位置が決まっているので、他のリノベーションに比べて、間取りの制限があり、壁の断熱性の向上ができず、窓の位置や大きさもかえられないが、費用は抑えられる
リノベーションの目的と工事の内容
リノベーションをする理由は築年数やご家族の暮らし方などによって、様々なケースがあります。
耐震性の向上
築年数の古い家にお住いのご家族の中には、耐震性に不安を感じている方も、いらっしゃるのではないでしょうか?建築基準法に定められている耐震基準は、大地震が発生する度に改正されています。特に、1981年以前に建築された住宅は、旧耐震基準によって建築されているので、不安に思われる方が多いのでしょう。
現在の新耐震基準は、1978年の宮城県沖地震での被害を受け、抜本的に見直され、改正された耐震基準です。その後も大地震が発生する度に、耐震基準は改正され続けていますが、新耐震基準は、基本的な部分が旧耐震基準とは大きく違っているのです。
リノベーションの際には、耐震補修も確実に行いますので、見た目が新築住宅のようになることに加えて、地震に強い住宅が実現します。
断熱性・気密性の向上
近年、住宅の断熱化が進み、複層ガラスや断熱性能の高い床や壁は、一般的な標準仕様になってきました。しかし、昭和から平成の中頃までの建築された住宅の中には、十分な断熱性を備えていない住宅も少なくありません。冬になると、暖房をしても足元が冷える、夏は西日の時間帯になると、冷房をしても涼しくならないなど、冷暖房の効率が悪い環境を持つ家です。
断熱性・気密性を向上させるためには、サッシの交換などの手軽なリフォームなどもありますが、家全体を魔法瓶のような状態にするためには、床、天井、壁、すべての開口部の断熱性・気密性を向上させる必要があります。骨組みだけ残すリノベーションでは、床、天井、壁、すべての開口部がすべて一新されるので、断熱性・気密性の高い家、無駄なエネルギーの消費を抑え、夏涼しく冬暖かい家が実現します。
バリアフリーへの備え
杖や車いすが必要になった家族の為に、またはそのような時に備えておきたいというケースです。手すりの取付け、段差の解消、出入口の戸の改良、滑りにくい床材料への取替えなどの改修工事は、手軽なリフォームでもできますが、通路等の拡幅、階段の勾配の緩和は、間取りや階段を変えなくては実現できません。骨組みだけ残すリノベーションなら、居住面積が圧迫される恐れがない場合には、2階屋を平屋にできるので、理想的なバリアフリー住宅にできます。2階屋のままにする場合は、階段を改修できます。
通路
柱のある場所は750センチ以上、全体的には78センチ以上の幅が求められます。
階段
階段の幅を広くし、一段の高さを23センチ以下、蹴込は3センチ以下にすることと、踊り場を広く取った折り返し箱型階段にするが求められます。
直階段や、螺旋階段、踊り場のないかね折れ階段は、階段事故のリスクが高い階段です。踊り場を広く取った折り返し階段は、床面積を多く必要としますが、他の階段に比べて安全度の高い階段です。また、近年流行しているスケルトン階段よりも、箱型階段の方が、安全性は高いです。
浴室とトイレの改良
こちらも、手すり設置や段差解消、滑らない床材にするドアを引き戸に変えるなどの工事は、手軽なリフォームでできますが、ドアの幅を広げる、床面積を広げるとなると、大掛かりな工事が必要です。出入り口には、車いすでも通れる65センチ以上の幅、浴室の面積は、2,5㎡以上必要です。
さらに、トイレに介助スペースを設ける場合には、出入り口の幅は75センチ以上、介護者のスペースとして便器の手前に50センチ以上、便器の横に50センチ以上のゆとりが必要です。
増改築…現在の家より居住面積を増やしたい
結婚した子供夫婦が戻ってくることになったので、二世帯住宅にしたい、子供が増え、手狭になったので部屋数を増やしたいというようなケースです。居室を増やすほかに、平屋から2階建てにするという増改築もあります。現在の家のまま増築する方法もありますが、増改築なら、家全体の間取りを自由に変えられます。
減改築…現在の家より居住面積を減らしたい
子供が独立したので2階屋を平屋にしたい、庭に駐車場を作りたいので家の一部を減築したいというようなケースです。現在の家のまま減築する方法もありますが、不自然な間取りになり、暮らしやすい環境を作れなくなる恐れもあります。減改築なら、新しい暮らしに合わせた間取りにできるとともに、断熱性などの住宅性能も向上させられます。
間取り変更
暮らしの変化によって、暮らしやすい間取りは変わってきます。子育てに備えて家を建てたご家族にとって、子供が成人する頃には、子供が小さいころとは暮らし方が変わります。そして、その時期にはちょうど家を建ててから10数年が過ぎ、外壁や屋根、内装材、住宅設備機器などの経年劣化も目立ってきます。
外壁の再塗装、屋根の葺き替え、内装材の張替え、システムキッチンやユニットバス、給湯機の交換などを、個別に行うケースがほとんどだと思います。でも、リノベーションなら、すべてまとめて行えます。
リノベーションの魅力
様々な目的を一挙に解決し、新築のような家に生まれ変わらせることが、リノベーションの大きな魅力です。リノベーションで生まれ変わった家は、新築時の家よりずっと暮らしやすい家です。その家に暮らした数十年の経験が、家の中の細かい間取りに活かされるからです。
新築の際には、子育てで忙しく、建築会社におんぶに抱っこで家を建ててしまった、予算と理想の家の妥協点の見つけ方が不十分だったなど、様々な事情で、100パーセント完璧な家を建てられる率は、それほど高くはないのです。
どんなご家族にも、暮らし始めてから、住宅性能についてもっと勉強しておけばよかったと感じたり、ここはこうしてばよかったと思う箇所が間取りにあったりしたのではないでしょうか?それらの経験は、すべてリノベーションに際して、有益なヒントになり、家族にとって本当に暮らしやすい家の基盤になります。
耐震性高めることによって、大地震が来ても安心な家になり、断熱性、気密性を高めることによって、季節の変化に応じて常に心地よい室温と湿度が維持される家に変わります。
平屋にしたり、バリアフリーへの備えをしたりできるので、老後の暮らしへの安心感も生まれます。
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リフォームやリノベーションを検討し始めると、どのくらいに期間と費用がかかるのだろう?工事中はどうやって生活するのかしら?など、様々な疑問が出てきます。どんなことでも、どうぞご相談ください。大事な持ち家を大切にしながら、より暮らしやすい家にすることが、RenoBASE8の基本です。より良い暮らしができる家にしたいという想いを叶えるお手伝いをさせてください。