子育てを始めるタイミングで、家を建てようと決心するご家族は多いことと思います。子育て中には、子供の成長に合わせて、日常は変化し続けます。その度に、暮らしやすい家の間取りも変わり、何度かリフォームもするのではないでしょうか?
そして、家を建ててからの暮らしには、子供の独立、結婚、家を建てた夫婦の定年退職といったライフステージの変化もおきます。このようなタイミングでは、部分的なリフォームではなく、住み替えを検討される方も少なくありません。
家が老朽化し、経年劣化が目立ってきたので、きれいな家にしたい
耐震性や断熱性の高い家にしたい
夫婦だけの暮らしになったので、平屋にしたい
子供夫婦と同居するために二世帯住宅にしたい
現在の家族の状況によって、新しい家に対する希望はそれぞれです。希望する内容によっては、部分的なリフォームでは実現できそうにないという場合には、建て替えや住み替えを検討されるのではないでしょうか?
なぜなら、日本では、築30年で住宅の法的な資産価値がなくなるからです。実際に家の寿命はもっと長く、適切な時期に適切な補修工事をしていれば、100年以上住むこともできるのです。
今ある家を活かして、新築同様にするリノベーションであれば、高額な資産をつぎ込んで建てた家を無駄にすることなく、快適な暮らしを実現できます。
新築戸建てへの建て替え・住み替えとリノベーション(一軒丸ごとリフォーム)の違い
リノベーションには、様々な方法がありますが、今回は、耐震、断熱などの住宅性能も含め、骨組みだけにして、新築のようにするリノベーションと、建て替え・住み替えを比較してみましょう。
費用と法的な規制による違い
住み替えの場合には、建築費・税金(不動産取得税・登録免許税・確認申請費)・土地の購入費がかかります。現在の敷地の持つ条件、道路との位置関係や敷地の形状によっては、相場より低い価格でしか土地が売却できない場合があります。その場合には、予算の上限に応じて、新しい土地は現在の土地より狭い土地、または利便性の悪い土地に変えなくてはならないこともあります。
建て替えには、解体費・建築費・仮住まい費用・税金(不動産取得税・登録免許税・確認申請費)がかかります。土地の購入費用は掛かりませんが、土地の条件によっては、建て替えができない、または建て替えをしても、現在よりも床面積の少ない家にしなくてはならない場合があります。
敷地が道路に2メートル以上接していない場合や、敷地が接している道路が建築基準法上認められている4メートル以上の道路ではない場合には、建て替えができません。ただし、このような条件であっても、道路の幅が狭い分、敷地内に1メートルセットバックすれば、建築できます。
その場合には、セットバックした分は公道として扱われるので、敷地面積自体が狭くなってしまいます。その結果、以前と同じだけの面積を持つ家にはできず、セットバックした分、狭い面積の家を建てなくてはなりません。また、旗竿地に関しては、路地部分が20m以下の場合には2m以上、路地部分が20m以上の場合には3m以上の道路への面している部分の幅が求められます。
リノベーションには、解体工事・設計料・建築費・仮住まい費用・建築費がかかります。構造躯体に深刻な損傷があるなど、現在の住宅の状態によって、補修工事が必要な場合には、建築費が嵩むことがあります。その為、リノベーションをする場合には、事前に住宅診断(ホーム・インスペクション)することが非常に大切です。
工事中の暮らしの違い
住み替えの場合には、新居が完成してから引っ越しできるので、生活の不便はありません。
建て替えには、約半年程度かかります。その間、仮住まいをしなくてはなりません。
リノベーションには、約2カ月程度かかります。その間、仮住まいをしなくてはなりません。
リノベーションで受けられる補助金と減税について
優良な住宅を増やすための施策として、国の補助金制度があります。リノベーションをする際には、賢く利用しましょう。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
長期優良住宅とは、日本が戦後、続けてきた「造っては壊す」という住宅の在り方を見直すために導入された制度です。本来、日本人は、物を大切にする文化を持った民族です。昔の日本では家は、長く受け継がれるものでした。
リノベーションは、本来、私たちが家に対して持っている愛情を活かすことのできる方法です。そしてそのリノベーションの際に、国の定めた基準を満たした場合、長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助金を受けられます。
対象となるリフォーム
- 劣化対策・耐震性・断熱性・省エネ性の基準を満たすフルリフォーム(リノベーション)200万円
- 劣化対策・耐震性・断熱性・高度な省エネ性の基準を満たすフルリフォーム(リノベーション)300万円
さらに、三世代同居対応改修工事(二世帯住宅)である場合には、50万円が加算されます。
長期優良住宅へのリフォームにおける評価基準の内容
劣化対策 : 子や孫の代まで構造躯体が安全に維持されることが目的です。
- 劣化対策等級3相当
- 床下及び小屋裏の点検口を設置
- 床下空間に330mm以上の有効高さを確保
耐震性 : 大地震が発生しても、命と財産を守れる家にすることが目的です。
- 耐震等級2以上
- 省エネルギー対策等級4
- 性能規定(Q値、μ値、結露対策)
- 仕様規定(U値)
住戸面積の確保 : 誘導型居住面積と照らし合わせ、最低限の居住面積を確保することが目的です。
- 少なくとも1の階の床面積(階段部分を除く)が店舗、車庫等を除いて40㎡以上あること
- 床面積の合計が、55㎡以上(1人世帯の一般型誘導居住面積水準)であること
居住環境 : 地域の環境整備に貢献することが目的です。
- 周辺の景観との調和が配慮されていること
維持保全計画の策定 : リフォーム後の理想的な住宅の状態を、いつまでも維持することが目的です。
- 定期的な点検と補修の計画が造られていること
三世代同居対応改修工事の基準
条件
改修後、ダイニング、浴室、トイレ又は玄関のうち、いずれか二か所以上の室がそれぞれ複数あること…完全分離型二世帯住宅や、共有部分の少ない共有型二世帯住宅の場合には、補助金が申請できません。
リフォーム内容の例
- キッチンを増設(一つはミニキッチンでも可)
- 浴室を増設する工事(一つは浴槽がないシャワー専用の浴室でも可)
- トイレを増設
- 玄関を増設
- 耐震改修への補助金
各自治体が耐震リフォームへの支援を行っています。
自治体によって、必要な条件が異なります。
耐震改修への減税
国の施策として、耐震改修促進税制が行われています。
所得税特別控除
耐震改修にかかった工事費用の10%(上限250万円)が所得税から控除されます。
条件
- 昭和56年5月31日以前に建築された住宅である
- 自らが住んでいる住宅である
- 耐震改修前の住宅が、現行の耐震基準に適合していない
固定資産税減税
条件
- 住宅が昭和57年1月1日以前から建っている住宅である
- 工事が現行の耐震基準に適合した工事である
- 耐震改修の工事費用が50万円以上である
- 耐震改修を行った場所の床面積が、120㎡相当までである
バリアフリーリフォーム
バリアフリーの改修工事は、長期優良住宅の要件として満たす必要がありますが、その他に2種類の補助金があります。
介護保険からの補助金 支給限度基準額は20万円
手すり、段差の解消、滑らない床、引き戸、洋式便器など、要介護者等が暮らせる家にするための改修に対して、20万円のうち、およそ9割程度が補助されます。
自治体からの補助金
各自治体がバリアフリーリフォームへの支援を行っています。
自治体によって、必要な条件が異なります。
国の施策は、全国共通ですが、自治体による補助制度は、それぞれ異なります。リフォームをする際には、お住まいの自治体の補助金について、調べてみてくださいね。
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リフォームやリノベーションを検討し始めると、どのくらいに期間と費用がかかるのだろう?工事中はどうやって生活するのかしら?など、様々な疑問が出てきます。どんなことでも、どうぞご相談ください。大事な持ち家を大切にしながら、より暮らしやすい家にすることが、RenoBASE8の基本です。より良い暮らしができる家にしたいという想いを叶えるお手伝いをさせてください。