リフォームは、経年劣化によって暮らしにくさの出てきた家を、改修する工事です。リフォームを請け負う会社によって、リフォームと呼ぶ場合もあれば、リノベーションと呼ぶ場合もあります。
リノベーションという言葉は、昭和の時代に建てられ、無人になった団地や、老朽化したマンションを現在の暮らしに合わせて大規模な改修を行うプロジェクトが、盛んにおこなわれるようになった時期に、広く使われるようになりました。
リノベーションとは、「既存の建物に大規模な改修工事を行い、用途や機能を変更して性能を向上させたり付加価値を与えること」、リフォームは「老朽化した建物を建築当初の性能に戻すこと」を指し、元に戻すための修復の意味合いが強い。古くなったキッチンを新しいものに変えることや、汚れた壁紙を張り替えるなどの小規模な工事は「リフォーム」に分類される。と、ウィキペディア(Wikipedia)には書かれています。
しかし、実際には、この2つは厳密に分けられているわけではありません。例えば、最も大規模な骨組みだけ残す全面的な工事は、スケルトンリフォーム、フルリフォームと呼ばれることもあれば、フルリノベーション、ケルトンリノベーションと呼ばれることもあるわけです。
ただし、小さな改修工事に関しては、多くの場合、リフォームに分類されているようです。ここでは、部分的な改修に関してはリフォーム、全面的な改修に関してはリノベーションという呼び方で、話しを進めていきます。
リフォームの種類
部分的な改修には、具体的にどのようなリフォームがあるのでしょうか?
窓やドアの交換
窓やドアは、住宅の断熱性に大きな影響を与えます。近年の新築住宅には、断熱窓と断熱ドアが標準装備されていますが、築年数の古い家では、断熱性のないタイプであることがほとんどです。壁や屋根の断熱リフォームより、短期間、低価格にできる断熱リフォームです。屋根、ドアの断熱性能が高いほど、リフォーム費用も上がっていきます。
住宅設備機器の交換
キッチン、浴室、洗面所、トイレなどの住宅設備機器は、10年を目安に交換の時期がやってきます。そのタイミングで、交換と同時に、壁紙や床を張り替えたりすることもあります。また、築年数の長い家の洗面所や浴室は、窓が大きく、断熱性を損なっているケースが多いので、窓を小さくする工事を同時に行うケースもあります。
システムキッチン、システムバスなどはすべて、機能が高い上位機種ほど、リフォーム費用が嵩みます。また、ヒノキやタイルなどのこだわりの浴室にする場合には、市捨て苦バスの交換ではなく、在来工法での施工になるため、交換リフォームよりはるかに費用が嵩みます。
壁紙や床板の張替え
塗り壁や無垢材内装の場合には、必要ありませんが、クロスやビニールタイルなどは経年劣化するので、張替えしなくてはなりません。素材の種類や、紫外線の影響の違いによって、年数は異なりますが、おおよそ5年から10年が張り替えの目安です。クロスのグレードによってリフォーム費用が変わります。
小規模な間取り変更
間仕切壁を取り外して2部屋をつなげる、間仕切り壁を設けて部屋を分けるなどのリフォームです。例えば、リビングとダイニングをつなげて、広いLDKにする、子供部屋を2つに分けるというようなリフォームです。
水回りを含む間取り変更
リビングとダイニングをつなげて、広いLDKにするリフォームで、壁付キッチンを対面式に変える場合には、水回りの位置変更が含まれるので、リフォームの規模が大きくなり、費用も嵩みます。
バリアフリー
手すりの設置、段差解消などは、小規模なリフォームでできますが、玄関、家の中の出入り口を、車椅子で通行できるように間口を広げるとなると、大規模な改修が必要です。
断熱改修
断熱性を高める為の工事をします。壁、天井、床に断熱材を入れる、断熱窓、断熱ドアに交換する、外壁と屋根に断熱塗装をする、外壁の外張り断熱をするなどの方法があり、予算に合わせて、いくつかの方法を組み合わせてリフォームします。
耐震補強
築年数の古い家では、水回りからの水漏れや、雨水の浸透、シロアリ被害などによって、耐震性が低下していることがあります。耐震性を損なっている部分を補強するリフォームです。