和風住宅の良さ
日本は、高温多湿な住宅です。その為、日本家屋には、夏を涼しく過ごす工夫が各所にされています。その工夫は、ドイツで発祥し、近年国内でも注目されているパッシブデザインにもつながる設計の工夫です。
深い軒
1年を通して変わり続ける太陽の位置が計算された軒は、太陽の位置が高くなる夏には日射を遮蔽し、太陽が低くなる冬には、陽射しを家の奥まで届けます。最近は、箱形の家が増え、軒のない家も増えましたが、軒は室内環境にも、家の耐久度にも影響を与えます。
室内環境に対しては、軒が日射を遮蔽して夏は室内を涼しく、陽射しを採り入れて冬は室内を暖かくする働きをします。また、雨風、紫外線から外壁を守るので、住宅の耐久性も高めます。
縁側
和室と庭の緩衝地帯となるスペースであり、玄関から和室へとお客様をご案内する際の廊下でもあります。縁側にも、和室にも連なる掃き出し窓が並んでいるので、縁側を通して和室からは、庭の景観を楽しめ、縁側を通って案内されるお客様は、庭の景観を眺めながら、和室まで歩いてこられます。夏は掃き出し窓を開放して風を取り入れ、冬は、掃き出し窓のガラスを通して降り注ぐ陽射しが、和室に流入する外気の冷たさを和らげます。
欄間
高い位置にあるランマは、窓からの光と風を通します。平屋は、家の中心部に陽射しが届きにくいという問題点を持っていますが、襖や障子の上部にランマを設けることで、ふすまや障子を閉じている時でも、陽射しと風を採り入れられます。
シンプルな欄間もありますが、彫刻を施した欄間、組子を使った欄間など、芸術的な欄間もあります。
左手の欄間は彫刻を施した欄間、右手に見える欄間は、開閉できる障子の欄間です。常に採風、採光したい位置には、格子や彫刻などの欄間、タイミングに合わせて開閉したい位置には、障子の欄間を設けます。
引き戸
玄関引き戸の他に、家の中の障子や襖など、日本家屋の出入り口には引き戸が使われています。
襖
襖は、閉じている時には部屋と部屋を区切り、開放すると部屋と部屋を繋げて大空間にするなど、空間の使い方を、タイミングに合わせて自由に変えられる良さを持っています。普段は、客間と茶の間に分けて使っている部屋を、大人数が集まる時には、襖を開けたり、外したりして、大広間にするというような使い方ができます。
襖には、自模様のあるシンプルな襖、風景や草花が描かれた芸術的な襖など、様々な襖があり、室内の雰囲気作りという役割もします。
障子
襖と同じように間仕切りに使われる場合もありますが、陽射しを通すので障子は、陽射しの入り方を調整したい窓にも使われます。
縁側と繋がる障子 陽射しを柔らかい光に変えます。
真壁
日本家屋の壁は、柱や梁を見せる納まりです。柱や梁は、紫外線や、その家に住む人の手から出る皮脂、囲炉裏からの煙などによって、艶のある深い色へと変わっていきます。古い日本家屋には、今では非常に高価で手に入らないような太い柱や梁も、使われています。
この美しい床の間は、元からあった柱や梁を残し、漆喰を塗り替えて生まれました。
歴史を感じる立派な梁を残した和モダンなリビングです。
古い家屋を快適にするポイント
日本家屋の良さを活かすと同時に、日本家屋の弱点とも言える断熱性の低さと、水回りの老朽化による暮らしにくさを感じる部分は、改善しなくてはなりません。
断熱性を高める
日本家屋は、夏を涼しく過ごせる工夫がたくさん備わっている一方、冬の寒さに対する対策は、ほとんどされていません。古い家に住む人の多くが、寒さを何とかしたいと感じています。その為、リフォームの際には、屋根、壁、床に断熱材を入れる、窓を樹脂サッシと複層ガラスにするなど断熱改修をすることが重要なポイントです。
特に日本家屋の場合、掃き出し窓が多いので、窓の断熱は家の中の環境に大きな影響を与えます。縁側の連なった引き戸は、日本家屋の良さでもあるので、窓を減らすという方法はもったいないです。それよりも、掃き出し窓はそのまま残し、高断熱機能の窓に交換する方が縁側の良さを活かせます。また、浴室や洗面所の窓は、換気の為、大きな窓が設けられているので、窓を小さくすることも、断熱性を高める為に役立ちます。
水回りの改修
古い家に住んでいて、暮らしにくさを感じる部分は、キッチン、浴室、トイレなど、水回りの住宅設備の使い勝手の悪さです。どの部分も、掃除をしてもきれいにならないという問題を抱えています。加えて、キッチンは、調理器具や買い置きの食糧が溢れて片付かない、浴室は冷えてゆっくり入浴出来ないなどの問題があります。
キッチン
システムキッチンを導入することに加えて、パントリーなど、キッチンに必要な物を全て収納できるスペースを設けることで、片づけやすいキッチンにすることができます。リフォームに際しては、どこに何を収納するかということを具体的に考え、サイズも計って、棚の位置や高さ、幅、奥行きを決めることが大切です。
漫然と収納スペースを増やしても、使いにくい収納スペースであれば、いずれ使わなくなってしまいます。生活動線から考え、収納したい時に収納したい物がすぐ収納できる場所に設けること、収納したい物にあったサイズであることが、活きる収納スペースの条件です。
浴室
現在の浴室がタイル張りであれば、床が非常に冷えます。好みもありますが、タイル張りの在来浴室から、冷えない床、滑らない床のシステムバスに変えると、使い勝手はぐっと良くなります。木の浴室、タイル張りの浴室などにこだわりがあり、在来工法でリフォームする場合には、冷えない床、滑らない床に配慮し、手すりを付けましょう。
洗面所
洗濯機を洗面所に置く予定であれば、リフォームを機に洗面所を広げると、洗濯物に関わる家事負担を減らすことができます。洗面所を広げ、洗濯物を干すスペースと、田とルや洗面用品の他に、下着やパジャマも収納できるスペースを造るという考え方です。洗濯物を干すスペースは、洗濯物を取り込んだ後には、アイロンをかけたり、たたんだりするスペースとして活用でき、仕上げた洗濯物は、その場で収納できます。
モダンな住宅が増えている現代ですが、日本家屋の良さを活かした家に住めるという贅沢は、古民家を所有しているからこそできることです。せっかくの家を建て替えるのではなく、家族の思い出と、和の良さを活かした快適な家にするまるごとリノベーションを検討されてはいかがでしょうか?古民家のまるごとリフォームを数多く手がけてきたRenoBASE8が、必ず素晴らしい家に生まれ変わらせます。
リフォームやリノベーションを検討し始めると、どのくらいに期間と費用がかかるのだろう?工事中はどうやって生活するのかしら?など、様々な疑問が出てきます。どんなことでも、どうぞご相談ください。大事な持ち家を大切にしながら、より暮らしやすい家にすることが、RenoBASE8の基本です。より良い暮らしができる家にしたいという想いを叶えるお手伝いをさせてください。